御質問有難うございます。
解説してから数年間反応が少ないためチェックが少なく、気付くのが大変遅くなり申し訳ありませんでした。
最初の御質問ですが、飛越馬のコントロールは必要ですが、自然馬術では馬体を曲げないことを原則としています。前後のスピードの伸縮、左右へのスムーズな回転の精度を上げることで間に合うと考えています。ジャンプの練習を繰り返せば、仰るように必要に応じて馬体は自然に起きてくるものと考えています。飛ぶのは馬ですから、どれだけ起こすか等は人間の計算できるものではないという考えです。
純飛越馬には反対駈歩も不要と考えています。敢えて窮屈な姿勢で回転する必要はないからです。
Youtubeで1960年ローマ五輪2位のイタリアのピエロ・ディンゼオとザ・ロックの映像が見られますが、
https://youtu.be/myhoFxZcBkw?t=105
ダブル障害のBのバーに前肢をぶつけてへし折り、膝を地につけた姿勢から立ち上がり、左方へ向かう時に2回踏歩変換をしています。これは馬が自分の判断で行ったものです。つまり走りやすいように動けば良いということです。スポーツですから。
二番目の御質問、サラブレッドについてですが、
これはサラブレッドは速く走れるが、飛び上がるのは不得意だからということでしょうか?確かにレースのダッシュの体制と助走の体勢は同じではないですね。ヒトでも100mダッシュの走り方で走幅跳をやると前にのめって上には上がりにくくなります。踏切板に近づくにつれ上体を徐々に起こしてゆくことが必要になります。これは選手が自分で繰り返すうち体得するもので、最初の御質問と同じですね。
速く走れるという事はそれだけバネがあるということですから、必ずしも筋トレが必要ということはないと思います。サラブレッドはジャンプに慣れていないので上達するのにある程度は時間がかかるかも知れませんが、思い切りの良さは長所ですね。ちなみに1964年東京五輪のアメリカチームの馬は3頭ともサラブレッドでした。選手の一人キャシー・クスナーは2頭のサラブレッドで2m越えをやっています。
馬体を屈撓して筋力がつくとは考えたこともありません。馬場馬術家の論理ではないでしょうか?坂道や斜面を駈け上がればもっと簡単に筋力つきますよ。走るということはジャンプの連続ですから、ダッシュだけでも力はついていきます。高校時代陸上競技の練習で坂路駈け上がり、階段駈け上がり、跳び上がりをやりました。ジャンプ力はジャンプ練習で養成されると思います。
帯広畜産大学はよく常歩飛越をやります。助走がない分負荷がかかるので速歩飛越を含めて筋力UPになると思います。北大も昔は馬場の端に砂山を作って駈け上がり・駆け降りをよくやりました。騎手の随伴練習にもなります。少しお金を使って馬場内に砂山を作れば練習に変化も出るし、その内崩れれば馬場砂の補完にもなります。また地形の変化に対する馬の馴致にもなります。既に実施されているかもしれませんが、お勧めです。
如何でしょうか?またご意見下されば幸いです。